東京電力による輪番停電を受けての今後の食生活についての方針

背景

2011 年 3 月に発生した東日本大震災により、東電エリア内の火力発電所および原子力発電所の多くが破壊された。そのため同エリア内の電力供給量に大幅な不足が生じ、同年 3 月現在、優遇地域とされた東京23区を除く殆どの地域で輪番停電が実施されている。この輪番停電はエリアを複数のグループに区切った上で、それぞれのグループで時間をずらしながら毎日 3 時間強の停電を発生させるというものである。

3 月 22 日現在、この記事の著者である PHO の居住する神奈川県中部では毎日の最高気温が10℃から15℃の範囲にあり、冷凍庫および冷蔵庫に貯蔵されている食品に対する停電の影響は未だ軽微である。しかしながら東電の発表によればこの状況は少なくとも来年夏までは続くとされており、このように毎日 3 時間以上も連続して送電を止められるのであれば、高ければ気温が 35 ℃にも達する真夏については言うまでもなく、その他の期間においても晩春から初秋にかけて冷蔵庫および冷凍庫の使用が一切不可能になる事は明白である。これは私のような単身者にとっては晩秋から初春までの僅かな期間を除いて食材または料理の廃棄を伴わない形での自炊が完全に不可能になる事を意味する。

残存食糧

冷凍品

現在 PHO の冷凍庫は主に次のもので満杯の状態にある。

  • 作り置きの多量のソース類。トマトソースやボロネーゼソースなど。
  • 貯蔵しているチーズ。パルミジャーノ等の高価なものも含む。
  • 貯蔵している自家製のベーコンやスモークチキン等。これらは一度に多量に作るものであるから冷凍保存が必須である。
  • 去年の自家栽培で収穫した香草類や唐辛子類。これもかなりの量になる。
  • その他、少量ずつしか使わない食材。各種のキノコや生姜や人参などの野菜。

既に実施されている輪番停電により一日 3 時間ずつ停電している影響で、これらの冷凍品には表面が解けて再び凍った形跡が見られている。現時点では未だ事実上の問題は無いが、今後の気温の上昇に従って冷凍品が毎日解凍と冷凍を繰り返されるようになればそれは最早食品とは呼べない状態になる事は明白であり、遅くとも一ヶ月以内には冷凍庫の中身が全滅する事が予想される。なお一ヶ月以内にこれらの食品を全て消費する事は明らかに不可能。その大半を廃棄する事になる。

冷蔵品

冷蔵庫には主に次のものがある。

  • 飲料。
  • 冷蔵保存の必要な調味料や各種の食品等。
  • 去年の梅雨時に大量に自家製造したアンチョビ、その他の自家製造品。
  • 野菜のうち使用頻度の高いもの。ジャガイモ、玉葱、ニンニク等。

冷凍品と異なり冷蔵品については「0℃を越えてはならない」などといった特別な制約が無いため、今年の気温の推移にもよるが五月末か六月半ばまではどうにか貯蔵可能であると思われる。調味料についてはその大部分を廃棄する事になるであろうが、その他の食品については消費し切れる可能性が無いわけではない。

常温保存品

常温保存品として次のものがある。

  • 小麦粉
  • 乾麺(饂飩や蕎麦など)
  • 昆布や海苔や干し椎茸等の乾物
  • 各種、多量の香辛料

これらは一年を通して常温保存可能であり停電の影響を一切受けないものの、いずれも単体で食するべきものではなく、何らかの料理に使用するものである。しかもその時に必要な食材は基本的に冷蔵もしくは冷凍保存が必要なものばかりであり、事実上それらの食品が利用不可能になった場合には、まったく用途が無い。

今後数ヶ月間の方針

可能な限り食品の廃棄量を減じる事を試みる。冷凍品および冷蔵品の消費を最優先とし、新たな食材の購入は貯蔵品を消費する上での必要最低限度に限るものとする。

それ以降

貯蔵品の廃棄

この時点で消費できなかった貯蔵品はもはや廃棄するより他の方法が無い。全ての食品を片っ端からゴミ箱に捨てる事になる。

以後の食生活

もはや自分で料理をする事は一切不可能なのであるから、それでも生存し続けたいのであれば他の方法で食事を摂らなければならない。

コンビニ弁当案

毎晩コンビニへ通って弁当を買って食べるというのが一つの案。だが、コンビニ弁当というのは極く稀に食べる分には良いが、毎日毎日あのクソ不味い弁当を食べ続けるというのは忍耐の限度を完全に越えている。よってこの案は棄却される。

低価格外食チェーン案

毎晩適当な低価格外食チェーン店に通うというもの。この案では、自分で同じ料理を作った場合に比べて二倍以上の料金を支払い、半分以下の味でしかない料理を食べる事になる。時々ならば良いが毎日それではとても耐えられない。不可能だ。この案も棄却される。

まともな店での外食案

満足の行くような料理を外で食べるには大変な料金を支払う必要がある。私には金が有り余っているわけではないのだから、これを毎日続けるというのは経済的な理由から不可能である。よってこの案も棄却される。

消去法により選ばれた結論

平日については、食事は普段通っているようなオフィス街の喫茶店等で摂る一食のみとする。平日の帰宅後や土日、祝日も含め、止むを得ない場合を除き自宅では一切の食物を口にしない。この行動の結果として栄養失調による衰弱や特定栄養素の欠乏による疾患などが発生した場合、およびそれらの疾患の発生や死亡等が迫っている事が明らかである場合であっても、この決定は一切変更されない。まだ食べられたはずの食べ物を捨てるくらいならば何も食べずに死んだ方がよほどマシだ。これは絶対だ。絶対に譲れない。

料理に使うために毎年栽培している一年草の香草やスパイス類については、今年はその種を蒔かない。去年の栽培から得られた各種の種子も廃棄する。同様に、多年草についてもその用途は最早皆無となるため、どれも数年間に渡って丁寧に手入れを続けて来たものであるが、気持ちの整理が付き次第、すべてゴミに出す。

調理器具および食器については、これは毎日使用していたものであるから、まだ使える物であるにも係わらず廃棄するというのも相当の心的苦痛を伴う。これらを廃棄してしまってはもう後戻りは出来ないのであるから尚更である。従ってこれらは気持ちの整理が付いた後で、全て廃棄する。電子レンジや冷蔵庫などについても同様に廃棄する。このようにして私は健康で人間的な生活を放棄する。