收容所からの逃亡の夢

數日前に見た夢を記す。細かい部分は忘れてしまつたので大雜把に。

學校から逃げる

私は學校のやうな場所に居る。學校はフェンスに取り圍まれてをり、收容所の やうでもあつた。理由は忘れたが私はそこから逃げ出さなくてはならなかつた。 幾重ものフェンスを乘り越え、學校の側に流れてゐる川に着く。

川邊は廣く、茶色の砂だらけであり、砂漠のやうに砂の高低差がある。水の流 れてゐる部分は細く、そこへ行くまでの間に幾重もの壁があり、その壁は何故 か襖か障子で仕切られてゐる。何枚かの襖を抜けると、途端に地面が茶色の砂 から畳張りになつた。襖を閉めると邊りは薄暗く、水蒸氣が充滿してをり、私 はだんだん怖くなつて來た。

川で游ぐ

服と靴を脱いで川に入る。そこから私は泳いで家に歸る事にした。追ひ掛けて 來る者共に見付からないやう、なるべく水面に顏を出さないやうにしながら。

途中、川が途切れてゐるのか何なのか、工事現場のやうになつてゐる場所があ り、裸のまま一度川から出てパイプで組まれた足場を傳つて行かなければなら なかつた。周圍には重機と未完成の橋があつた。人は誰も居ない。

暫く行くと雨が降つて來て、雷が鳴り出した。今この川に雷が落ちたら即死だ なと思つて水から上がると、地面に電流が流れてゐるかのやうに足がビリビリ とした。

雨が上がつたので再び川に入る。また暫く泳いでゐると、岸に弟の姿があつた。 その途端に私は、最初に川に入つた地點に服も靴も置いて來てしまった事に氣 附いた。裸で家へは歸れまい。

引き返す

仕方無く私は引き返す事にした。先程の工事現場に戻る。

勞動者達との出會ひ

工事現場に戻ると、そこには多くの作業員が居て、何やら作業をしてゐた。こ こで私は服や靴を取りに戻ると云ふ目的を全く忘れてをり、この時には既に服 を着てゐるやうだつた。

先程も渡つた足場を再び渡つてゐると、勞動者達に聲を掛けられた。何故私が こんな所に居るのか、川の中で何をしてゐたのか等を話してゐる内に彼等とす つかり打ち解けてしまつた。私の持つてゐた珍しい煙草を彼等と共に吸つた後、 話の流れで私も彼等の作業を手傳ふ事になつた。

顏も見た事も無い連中と一瞬にして友人になつたやうだつた。その中には私と 同じ年の黒人の女性もゐて、何故か彼女と腕相撲をした。私よりも年上の者も 居たが、幼い子供も少なくなかつた。男性ばかりでなく女性も多く居た。彼等 は皆、口は惡かつたが、好ましい人物ばかりであつた。

作業後、勞動者達は揃って宿舎のやうな場所に歸つて行く。私もそこに招かれ た。次第に解ってきた事なのだが、どうも彼等は強制收容所に収容された囚人 であるらしかつた。

脱出

夕方になり、彼等の宿舎(もしくは收容所)を出て、私は家に歸る事を告げる と、昼に仲良くなつた者の一人が私を外まで送つてくれると言ふ。彼の後に付 いて行くと、何故か「警備が手薄である」とされた場所に案内され、そこには 他の者も數十人が集まつてゐた。皆で收容所から脱出する事になつたわけであ る。私は外部から來た客であるのだから正規の方法で出られる筈なのだが、ど ういふわけか彼等と共に非正規に脱出する事になつた。

脱出は途中までは上手く行ったのだが、最後の障壁を越える段階で警備員に見 付かつてしまふ。私はともかく、彼等が捕まれば處刑される。それだけは何と しても避けなければならない。

收容所側は武装したロボットのやうな物を次々と送り込んで來た。我々は銃彈 から身を隠しながら、高速道路のやうなトンネルのやうな場所を逃げ惑ふ。そ こは迷路のやうになつてゐて、誰にも全貌を把握できなかつた。昼に腕相撲を した黒人の女の子が疲れ切つてゐるやうに見え、私はとても心配した。

追つて來る敵を避けながら、迷路のやうな道を逃げ惑ふ。敵は部外者である私 を殺してはならない事になつてゐたので、敵と近くに遭遇してしまつた時は、 何度も私が身を楯にして仲間を庇つた。

その内に、我々と一緒に居た筈の幼い女の子が、いつの間にか格子状の壁を隔 てた向こう側に居る。そこは少し前に我々が通つた道であつた。皆で格子を隔 てて彼女に尋ねる。何故そんな所に居るのかと。彼女は涙を流しながら、逃亡 は諦める事にしたと告げ、下を向いてしまふ。我々は泣きながら彼女に急いで 追ひ付くやう説得するが、我々にも敵が迫つてゐるのだ。泣く泣く彼女を置い て逃げる事にした。

結末

どれだけ迷路を彷徨つた事だらうか。やうやく出口と思しき開けた場所に辿り 着いた。我々の逃亡は遂に成功した… 筈だつた。

出口には收容所の連中が待ち伏せてゐた。丸腰の我々に對して、銃器を携えて。 もう駄目だ、と思つた。部外者の私を殘して、仲間が、次々と殺されて行つた。 死体はドラム缶に詰められて、アスファルトで埋められた。疲勞で樣子がをか しくなつてゐた黒人の女の子も、生きたままアスファルトに沈められた。私だけが殘され た。

その後どうしたかは覺えてゐない。多分この邊りで目が覺めたのだと思ふ。最 惡の目醒めだつた。