長い夢

とても長い夢を見てゐた。正確に書くと、夢と日常を行ったり來たりしてゐた。やっと歸って來られた。

2008-04-27 深夜

母と二人で酒を飮んでゐたのだが、餘りにも飮み過ぎた。風呂に入り、「後生」について考へながらベランダで煙草を吸ってゐる時に氣分が惡くなり、二階のトイレで嘔吐。ベッドに入らうとして床に轉げ落ちた。ジェイゾロフトとデプロメールは飮んだのだがマイスリーとレンドルミンを飮まなかった。(後で解った事だが、藥の一部は飮んだつもりで床に落としてゐた。)

2008-04-28 明け方

ずっとベッドの中で起きてゐたやうな氣がしてゐたのだが、氣附いたら夜明けだった。非常に氣分が惡く、一階のトイレで嘔吐。母が起きてきてハーブティーを淹れてくれた。ソファーに横になりながら少しずつ飮む。部屋に戻って再び寢た。

2008-04-28 朝

部屋に母が來て、會社へ行けるかどうかを尋ねた。私はとても無理だと言った。「會社へ連絡しなければ」と云ふ思ひと「面倒だ」と云ふ思ひが交錯。どうしても眠れさうに無かったので、氣力を振り絞って IRC で會社に連絡を入れた。見るとベッドの下にハンドクリームとリップクリームが落ちてゐた。床に轉げ落ちた時に一緒に落ちたのだらう。

それだけではなく、床には二つの錠劑が落ちてゐた。良く調べてみると、それはジェイゾロフトとデプロメールであった。二錠ずつ飮んだはずの藥が一錠ずつ落ちてゐると云ふ事は、これは飮んだつもりで床に落としてゐたに違ひない。暫く惱んだが結局その二錠はその場で飮んだ。再び就寢。

2008-04-28 昼から夕方

ベッドで寢たり起きたりしてゐた。とても氣分が惡い。寢てゐる時にも熟睡してゐたのではなく、延々と樣々な夢を見てゐた。憶えてゐる限り、夢は次のやうなものであった。順序がこの通りであったかどうかは、もう判らない。

IRC の priv の夢

時々私に priv で話し掛けて來る知人が居る。(夢の中で)目が醒めたらその知人が私に向かって priv で一方的に何事かを話してゐた。私は夢の中で寢てゐたわけだが、彼は私が寢てゐる事を知らず、反應が無いのは私を不快にさせた爲だと思ひ込んでゐた。それが誤解である事を説明する事も出來たはずだが、(夢の中でさへ)そのやうな氣力は無かった爲、priv を放置したまま再び寢た。

IRC の會社のチャンネルの夢

IRC の會社のチャンネルを見てゐた。私の突然の「休みます」發言への反應を見る爲だったと思ふのだが、ログを見ると私がそのやうな發言をした形跡は見られず、同僚は仕事とも關係のあるやうな無いやうな良く判らない話をしてゐた。一人が「Ubuntu をインストールしたいので今日は早く歸ります」と言ってゐたが、それに對する反應は無かった。

こんな夢を見た所爲で、會社へ連絡したのは夢なのか現實なのか解らなくなってしまった。仕方なく後でログを再度確認したら、確かに私の連絡とその應答があった。「今確認してゐるこれも夢なのではないか」と云ふ不安に飮み込まれさうだった。

ベッドで起きた夢

夢の中で目を醒した。空の色から考へると時刻は夕方だった。異常に部屋が暑いので窓を開けたが、少しも涼しくならない。温度計を見ると 27 ℃だった。私の部屋には窓が三つあるのだが、その内の一つしか開けてゐなかった事に氣附いたので、殘りの二つの窓も開けた。殘りの二つの窓からは正面に畑が見えるのだが、その畑が眞っ赤になってゐた。(現實にはこの畑は何年も前に宅地になってゐる。)

目が醒めたら部屋の窓は閉ぢられてをり、私は毛布を被って寢てゐたのだった。だから暑かったのだ。

知らない街を彷徨ふ夢

私は知らない街を一人で彷徨ってゐる。どうも最近この街に引越してきたばかりであるらしく、私は新しい街を見て回りたかった。街の中にトンネルがあり、トンネルの中程から外に出られるやうになってゐた。私はトンネルの中を通ったのではなく、外部に繋がった地點に別の場所から辿り着いた。トンネルの中は凄い人混みで、どうも町内會がバザーのやうなものをやってゐるらしかった。街に慣れる爲にはそのバザーに私も混ざる必要があると感じたが、どうしてもさうする氣になれないので、私は立ち去った。

無目的に歩いてゐると駅に出た。駅舎の上から奇妙な青いオブジェが突き出してゐた。駅周辺の地圖を見ると、地圖に載ってゐる駅舎にも同じオブジェが描かれてゐた。そのオブジェについて IRC で友人に報告しようと思ったら、いつの間にか IRC クライアントの畫面を見てゐた。友人達は何事かの話題で盛り上がってゐたので、關係無い話を始めるのが躊躇はれた。

2008-04-28 夜

まだ氣分が惡い。貧血のやうだった。何とか夕食を摂り、風呂に入った。體が異樣にだるいのは一日中ベッドで横になってゐた所爲だと思はれたので、どうにか起き上がって時間を潰した。この時には既に夢と現實の區別が付かなくなってゐた。そもそも現實とは何なのかと考へ續けて、或る結論に達した。「現實とは、今見てゐるこの夢の事である。他の夢は斷片的だが、この夢はもう24年間も飛び飛びに續いてゐる」と。この結論の爲に私は酷く不安になった。

ジェイゾロフト、デプロメール、マイスリー、レンドルミンを正しく飮んで 23 時頃に寢た。

2008-04-29 朝

正常に目を醒ました。夜中に起きる事は無かったらしい。昼まで再び寢た。

2008-04-29 昼

起きた。もうこれ以上は寢ようと云ふ氣になれなかった。起きて本を讀み始める。まだ少し平衡感覺が變だ。

2008-04-29 夕方

體調が正常な状態に戻って來たやうに感じた。それと共に、やうやく日常に戻って來られたやうに思った。意識がはっきりしてゐる。

結論

私は確かに最近、無意識の深い部分へ降りて行きたいと思ってゐた。そこで見た物を地上に持ち歸って表現したかった。

二度も嘔吐するまで酒を飮んだ事は私の不注意だと思ってゐたのだが、本當は違ったのではないか。私の體は、あのやうに酒を飮めばどうなるのか解ってゐたはず。解ってゐながら自分の望みを叶へる爲にわざと深酒したのではないか。だから私は二日間に渡って夢と現實を彷徨ふ事になったのだが、それは自ら望んだ事だったに違ひない。

あちらの世界へ行く事は、自分の意思で出來る。だが歸って來る事は、意思では出來ない。その危險を知らなかったが爲にあんな事をしたのだ。安全に歸って來る方法を學ばなければ大變な事になってしまふ。